〜県道115号線 山里 大堂〜

伝説はさておき、渡久地では休憩である。

【渡久地は町の中心。銀行、町役場、警察署、病院、レストラン、

 食堂、市場、コンビニエンスストア、商店、その他揃っている。

 中でも岸本そばは沖縄でも屈指の昔ながらの手打ちそば屋。

 食後、すぐ斜め向かいの新垣ぜんざい屋にいくのが基本。

 メジャーすぎて不本意ではあるが、美味しいので要チェック】

県道115号線へ。満名川を渡り、本部小学校の脇をぬけてゆく。

小学校を過ぎてすぐ、道路に覆い被さるように張り出した大岩。

その岩影の部分に不思議な空間がある。

鉄製のパイプで円に限りなく近い多角形の柵をつくり、さほど広くない

閉ざされた空間を創出している。柵の内側はむき出しの土。

外側はくるぶしを隠すくらいの草を、人が踏み固めた感じ。

大きな木々が全体に影を落とす。小さな闘牛場だ。

巨大な牛二頭が、地面を蹴り、そしてぶつかり合う。

牛たちの闘気と近所の人たちであろう観客の活気とは裏腹に、

その場所は静かで、のどかでさえある。

県道115号線沿いには、しばらくの間、岩を削り出して、 あるいは岩肌を

利用して建てられた立派なお墓が散在している。

沖縄独特の唐破風墓、亀甲墓である。古いものや新しいもの様々だ。

【唐破風墓/karahahuubaka 亀甲墓/kikkoubaka kamekoubaka

 沖縄の墓は個人の墓や家族の墓ではなく、一族の墓である】

 

うねうねと続く県道115号線、山間の道は、

いつしか不思議な風景が続く道であることに気づく。

ピラミッド状の小高い丘や山が並んでいるのだ。

灰色の岩々が、所々むき出しになっている。

頂きであったり、中腹であったり場所は様々だけれど、

皆同じ印象を与える。ここも日本有数のカリスト地形。

山里、大堂。ピラミッドの間を115号線は続く。

【山里/yamazato 大堂/uhudou】

 

『自分が小学校の時、遠足で大堂までいきました。

県道115号線を歩いていったんですよ。

当時はなんともなかったんですが、難儀なことですね今思えば』

 

『大堂には大きな池があった。大きな松の木が目印で、

なんとか商店の裏のほうです。そこで弁当食べたんですよ』

いまじゃ、どうってことないとこですけどね。

そう言って山川酒造の方は微笑んだ。

確かにそうだ。

でも山里から大堂に至る115号線沿いは、素敵である。

大きな大きなガジュマルの門をくぐった先には、

瓦屋根の家が待っているに違いない。

庭の中にある小さいピラミッドは子供たちの恰好の遊び場。

さとうきび畑、にわとり、夏の陽射し、山間の村。

1億年の時間がつくったカリスト地形、ピラミッド群。

あの大きな池はいまどうなっているのだろう。

松の木は、なんとか商店はどうだろう。

ピラミッド状の丘や山は2〜3mのものから100mクラスまで

大小様々なサイズである。県道115号線はその中をつっきり

まっすぐ今帰仁城跡へと続く。

山里、大堂のピラミッド群。

のんびりと、不思議が織りなす風景。

素敵な沖縄をまたひとつ知った。